日々雑録

40歳、書籍編集者の日記です。

子育て中に思い出すこと

子育てをしていると、自分の子ども時代を振り返ることが増える。

いま子どもが6歳なので、よく幼稚園の年長さんだった頃を思い出す。その頃の私は大変のんびりした子で、登園中に前を向いて歩いているのにもかかわらず、溝に落ちたり電柱にぶつかったりしていた。幼児期から高校まで共通していたのは、明るい、大らかでおっとりしている、でも自分の好きなことしかしない、ドジ、何を言っても響かないという感じ。だから、自分の子がとても几帳面で真面目で、苦手なことにも挑戦し、一度言われたことを忘れずに実行する様子を見ると、ただただ驚く。

親の姿も思い出す。先日、「価値観を押し付けたくない気持ち」で書いたけど、私にとってよくなかった点は「正義」を押し付けてきたところ。あとは父が不機嫌を周りに見せつけたところ、母の潔癖だろうか(どちらも中学生くらいになったら注意したけど)。まあ、これだって一概によいか悪いかは言えないけれど、私が嫌だったのは確か。他にも細々はあるものの、反対に「よかったな~」と思ったのは、こんなところ。

①愛情を言葉と態度で示してくれた

「かわいい」「愛してる」などと暑苦しいほど言われていたし、欠点だらけでも「お前らしくていい」「好きなように生きろ」「なるようにしかならない」と受け入れられていたことが、嫌なことがあったときに本当に支えになった。今でも支えになっていると思う。

②夫婦喧嘩を見せなかった

母は自分が子どもの頃に両親のケンカを見て、本当に不安でつらかったので絶対に見せないと決意していたとのこと。家か学校しか居場所がなく、自由に逃げられない子どもに夫婦喧嘩は見せないほうがいいと思う。私はたまに見せてしまっていて反省。

③両親がチームとして機能していた

私や弟が親のどちらかにひどい態度をとったときは必ずもう一方が叱り、親のどちらかとこじれたときは必ずもう一方が話を聞いてくれたうえで、親の側の気持ちを伝えてくれた。そして、お互いの悪口や愚痴は、面白い冗談半分のもの以外は言わなかった。

④意見を言う機会をくれた

一方的に知識をつけようとするのではなく、会話の中で「パパはこう思うけど、どう思う?」などと聞いてくれた。他人に伝わる形で自分の意見を言う練習になったし、大人になると誰も代弁してくれないので、これは役に立っている。

④好きなことをどんどんやらせてくれ、嫌いなことを強要しなかった

読書や虫採りなどの大好きなことを自由にやらせてくれ、自分の好みと違っても否定しなかった。一方、料理や掃除などが嫌いだったんだけど、最低限のお手伝い以外は「いつかやらないといけない日がくるから、そのときでいい」と仕込もうとしなかった。

⑤成長とともに距離をとってくれた

思春期になると、こちらから学校や友達のことなどを話せば聞いてくれたけど、あまり干渉しなくなった。多少は気になっていても、生あたたかく見守ってくれた。だから、さほど反抗しなくてすんだのかもしれない。

こうして書き出してみると、やっぱり思い出はよいところだけが鮮明だなとも思うんだけど、親のよかったところはマネして、嫌だったことは極力やらないようにするというのは一つの指針になっている。さらに専門家の本を読み、子どもの姿や反応をきちんと見ながら育てていこうと思う。何にしても子育ては工夫の余地があって、とても面白い。